彫金ができる環境を考える

これから制作活動をしていくための彫金に適した環境とはどんなものかを考えていきます。

これを読めば、今あなたが住んでいる環境で地金やワックスを扱った本格アクセサリーの制作活動ができるかどうかが分かるはずです。

音について

地金制作

地金製作では、金属を「切る」「削る」「磨く」「叩く」作業があります。

特に「叩く」作業の時に大きな音が出てしまいます。

集合住宅や防音環境が整っていない場所では夜の作業は控えるなど、音に気を使う必要がありますね。

ワックス原型制作

ワックス原型製作では、ワックスというロウソクのような性質を持った素材を使用します。

この素材は、切ったり削ったりしても作業音は静かですので、音に気を使う必要はありません。

 

火気について

地金制作

金属同士をくっつける「ロウ付け」や曲げるために金属を柔らかくする「なまし」という作業で、火を扱うことになります。

地金用

耐熱温度約1000度の耐火レンガを設置例のように8個配置して、なましやロウ付けがおこなえる作業場所を作ります。

彫金机などの上には必ず、耐火レンガや耐火材を置いて作業をするようにします。

耐火レンガを置く机周りに吹きかけておきます。

このような防炎用スプレーなども売られているので、ロウ付けで使う机やその周りなどを防炎加工しておくと安心ですよ。

窓際が作業場所の場合、カーテンなどにもスプレーしておくことをおすすめします。

 

ワックス原型制作

火は使いませんが、ワックスペンというハンダごてのようなペン先が熱くなるアイテムを使います。

ワックスペンの周りに燃えやすいものを置かないように気をつけましょう。

 

汚れについて

地金制作

糸鋸で地金を切ると、金属の端切れや金属粉が出ます。

床に落ちた金属粉をそのままにしておくと、椅子を動かしたり、足で踏みつけたりしていくうちに床が汚れてきます。

シルバー・金・プラチナの地金を扱う場合

デザイン以外の使えない地金屑や金属粉は、収集ボックスなどにまとめて保管しておきます。

ある程度貯まったら、それを業者に持っていくと新しい地金板などに交換してくれたりします。

 

ワックスの原型制作

粉状のワックスの削りカスが大量に出るが、掃除機などで容易に吸い取れ、黒く汚れるようなことはありません。

 

仕上げ研磨(地金・ワックス共通)

アクセサリーの仕上げ磨きで、バフがけという研磨作業をします。
集塵ボックスを使わないでバフがけすると、部屋中にバフカスが舞い散ります。

バフカスは部屋中に落ちて埃が積もっていくようにそこら中に溜まり、指でこすればその部分が黒く汚れてしまいます。

集塵ボックスがあると便利なのですが、購入するとなると意外と高いんですよね。
そこで、集塵ボックスは自分で作ってしまいます。
メンバーの皆さんには、集塵ボックスの作り方を教えています。

 

作業スペースについて

地金・ワックスを兼用して作業するのであれば、2畳のスペースがあれば十分ですが、音や火気・とくに汚れなどを考えるとやはり作業場として一部屋確保できる環境が理想ですね。

 

最後に

地金制作はどうしても作業音が気になるところであり、お住まいの環境によっては大きな音が出せない状況にあると思われます。

とくに集合住宅などにお住まいの場合は、お隣さんとのトラブルの原因になりかねません。

こんな環境だけど、どうしても地金でアクセサリーを作りたい方は、作業場になる部屋に防音対策を施すことも視野に入れておきましょう。

防音室を自作する

部屋の中に自作で防音室を作る動画です。

さすがにここまでは出来ないって方は、 まずはワックスでのアクセサリー制作をおすすめしています。