序章9~彫金に導かれし者

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第16話 オークション

舞台を丸く囲むように階段状の席が並び、その席を埋め尽くさんばかりの人たちが、中心の舞台を注目していた。

会場は異様な熱気に包まれている。

会場のあちこちから大声が上がっていた。

会場
「500!」「1,000!」「1,500だ!」

コンコン~

ハンマーが2回鳴り、オークショニアの声が会場内に響く

オークショニア
「糸鋸のスキルのかけら、1,500ニューロで落札!」

「続いて、自作集塵ボックスの書です。」

「3,000ニューロから!」

会場が一斉にざわつき出す

会場
「3,500よ!」「5,000じゃ!」 「8,000!」

カルマは、その場の空気に圧倒されそうになった。

ダリ
「この次の次が、いよいよ私たちが狙う粉だよ。」

オークションはどんどんと熱気を帯びていく。

会場
「10,000だ!」「15,000でどうだ!」

ダリ
「ここで競り合ってくれると助かるな」

会場
「18,500!」「19,000!!」「エイっ!20,000!!」

・・・

「25,000」

ダリ

「まさか!?あ」

会場
「おおお~」

カルマ
「お~」

ダリの声がかき消されるほどのどよめきが起こった。

オークショニア
「25,000ニューロ出ました~!!」

「他にいませんか?」

辺りは静まり返っている。

コンコン~

オークショニア
「自作集塵ボックスの書、25,000ニューロで落札!」

ダリ
「うむ。さて、いよいよだね。」

ダリの表情は険しかった。

カルマ
「はい!」

オークショニア
「さあ、本日最後の目玉、パーフェクトジュエリルの粉です。」

「それでは、10,000ニューロからスター」

「ホ~ッ、ホホホホ」

オークショニアの開始の合図に被せるかのように、会場に高らかに響き渡る笑い声

「ホ~ホホホホッ、100,000よ。」

会場全体、そしてオークショニアでさえが、この突然の状況を理解するのに時間がかかった。

オークショニア
「じゅ、100,000ニューロです、が、出ましたぁっ!!」

会場が一斉にどよめいた。

ダリ
「やっぱり、あいつだったか。」

オークショニア
「さあ、ほかにいませんか!」

会場はシ~ンとしている。
カルマたちも為す術がない金額だった。

オークショニア
「ほかにいなければここで落札とします!」

「いませんね。」

コンコンッ~!!
落札の合図が会場に高らかに鳴り響いた。

ダリ
「くそっ。」

~~~~~~~~~~~~~~

オークションは終わり、ゾロゾロと会場を後にしていく人々の姿。

会場にはまだ、カルマたちがいた。

「あ~ら、ダリちゃん、久しぶりね、あなたも来てたの?」

カルマたちの後ろから声が聞こえた。

ダリ
「やはり、アリスか。」

そこには、ゴスロリ衣装に身を包み、桜色のパラソルを差して、モデルポーズを決めながらニコニコとこちらに微笑みかけている女性が立っていた。

アリス
「なんか、目つきこわいよ~」

ダリ
「おまえのせいだ」

可愛らしくペロッと舌を出したアリスは、カルマに目をやると、

アリス
「あらま、可愛い子ね」

「はじめまして」

カルマ
「ど、どうも」

アリス
「ダリちゃんとはどういう仲かな~?」

満面の笑みで近づいてきた。

カルマ
「えっ!?どういうって、その~」

アリス
「私の未来のダーリンだからね」

カルマの横に立ち、耳元でドスを利かせて

「・・・ちょっかい出したらブっ殺すわよ!」

その豹変ぶりにビビって、思わず、

カルマ
「はっ、はい」

と、答えてしまった。

アリス
「よしよし、いい子ちゃんにはこれをあげるわ。」

カルマの手を取ると、笑顔でスキルのかけらを手のひらに乗せた。

カルマ
「いや、こんなものいただけまっ」

アリスの無表情の顔を見て、

カルマ
「あ、ありがとうございます。」

やれやれまたかという感じに、ダリは二人のやりとりを見ていた。

 

アリスからの贈り物

スキルのかけらを手に入れた!

バフがけなどの研磨カスや塵などの飛散を防止するためのボックスの作り方が刻まれたスキルのかけらです。

プロ仕様の集塵ボックスの作り方

自宅で出来る彫金ですが、厄介なのが研磨の際に出る研磨工具と金属が混じった粉塵カスです。 研磨すると粉塵は部屋全体に舞い散って、そこら中が埃の溜まったような状態になっていきます。 はじめはさほど気になり ...

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アリス
「さあて、粉も手に入れたし、パパに早くこれ渡してシャワー浴びないと、私干からびちゃうわ。」

「それじゃあ、そういうことで、チャオ!」

アリスはオークション会場を颯爽と出ていった。

カルマ
「お知り合いだったんですか?」

ダリ
「アイツは、私の父の弟子だよ。
孤児だった私たち二人を父が引き取って、育ててくれたのさ。
アイツは今や、スキルハンターとなり、ジュエリルワールドでスキルのかけらを探し回っているのさ。」

「キミには言ってなかったね。」

「フィガロは、私の実の父ではない。」

「しかし、実の父のように、私たちをここまで育ててくれた。」
「彼のおかげで今や私は、ジュエリルワールド調査団の副隊長になった。」

「そしてアイツは、裏側のモノたちを束ねるリーダー的存在。味方であり、敵でもある、スキルハンターを束ねるドン、氷の女帝” アリス ”だ。」

ダリ
「ふりだしに戻ってしまったな。これからどうする?」

カルマ
「う~ん、一旦、レオナルドの所に戻ることにします。またなにか手がかりを教えてくれるかもしれないので。」

ダリ
「わかった。私もアリスに粉を分けてもらえないか、聞いてみることにする。」

「ここで一旦別れることにしよう。」

 

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