このリングサイズが測れる棒、巷ではいろいろな呼び名があって、”リングゲージ棒”とか”指輪サイズ棒”などと呼ばれています。
ボクは仕事で使うときに、「サイズ棒」って呼んでいます。
この棒には、指輪の号数の目盛りが刻んであります。
指輪をこのサイズ棒に通して、指輪が引っかかった棒の位置の目盛りを見れば、その指輪の号数が分かるって訳なんだけど、
サイズ棒の使い方、正しい測り方っていうような親切な取扱い説明書的なものは買っても付いてこない。
そこで今回は、サイズ棒の使い方や測り方を紹介したいと思います。
サイズ棒の使い方と測り方
step
1指輪が変形していないか確認する。
ピノキオがウソをついた時の鼻が伸びた状態を想像してください。
そのような状態にリングゲージ棒を顔の前で寝かせて、指輪の側面を覗き込み、指輪と棒の間に隙間がないか確認します。
隙間があれば、そこが変形している箇所です。
指輪が変形していたら直してみよう!
サイズ棒に通して、木槌(なければ100円ショップなどで売っているプラスチックハンマー)で指輪を叩いて変形を整えます。
このとき、注意したい点が3つ。
注意1金槌では叩かないこと
リングが潰れてぺっちゃんこになります。
ワザと傷つけてアンティークジュエリーでも作るつもり?
余計に変形してしまいますからね。
注意2号数の目盛り部分で叩くのは避けること
棒に刻んである号数の目盛り部分は一段くぼんでいます。
指輪を通した状態でその上を叩くと、指輪の内側にくぼみの角が当たり、キズついてしまいます。
(くぼみのない真円のサイズ棒もあります。)
注意3宝石が付いたものは慎重に!
石座付近を何度もガンガン叩くと、石座に当たったり、石座がゆがんで、最悪は宝石が取れてしまうこともあります。
なるべく石座を避けて、リング部分だけを慎重に叩いていきます。
step
2サイズ棒に通して、号数を読む。
指輪といっても、デザインがいろいろなものがあり、リングの幅が細いものもあれば、太いものもあります。
中心に宝石が付いているもの、リング上部に飾りデザインが施されたものなど様々ですね。
それでは、そういった指輪たちをサイズ棒に通した時、どの部分を基準にしてサイズを読んだらいいのでしょう?
画像を見ながら説明しますね。
目盛りにピッタリと重なった場合
この画像だと11号になります。(正確には11号弱)
目盛りと目盛りの間でとどまった場合
この画像だと、10.5号ということになります。
目盛りが隠れてしまうほどのリング幅が大きい指輪の場合
目盛りが隠れて分かりづらいですが、13号となります。
リング上部に大きなデザインや石座があり、手のひら側にくるリング下部に向かって徐々にリング幅が細くなっているようなデザインリングなどは、リングの手のひら側のほうが調べやすいですよ。
どれも、指輪の中心に何号の目盛りが来ているのかでその号数を決定します。
なぜかと言うと、
指輪を作るときに決めるサイズの基準位置が、指輪の中心だからです。
これでどんな指輪でも号数が分かるはずです。
お客様から指輪のオーダーを受ける時の注意
お客様から預かった指輪のサイズをもとに新しい指輪を作る場合には、サイズを決めるにあたり確認することがあります。
それは・・・
預かった指輪のリング幅とオーダーされた指輪のリング幅を比較して、最適な号数を導き出さなければいけません。
リング幅が同じくらいのものなら問題ありませんが、リング幅に大きく開きがあるような場合には注意が必要です。
例えば、預かった指輪が左上画像のような指輪全体のリング幅が3mmと細めの指輪だったとします。号数は7号でした。
そして、オーダーされた指輪は右上画像のような指輪全体のリング幅が10mmを超えるような太めの指輪で、号数も同じく7号でオーダーされたとします。
この場合、細目の指輪と同じ7号のまま作ってしまうと、
リング幅が大きくなる分、付ける時に指のお肉がひっかかりやすくなり、入りづらい もしくは最悪きつくて入らないなんてことに!
指輪全体のリング幅が10mmを超えるような太めの指輪の場合には、
お客様に事情を説明して、お預かりした指輪のサイズ(7号)よりも、0.5号~1号ほど大きめのサイズ(7.5号~8号)で作って差し上げます。