「地金から作り上げたアクセサリー」や「ワックスから作り上げたキャスト吹き上がり品」を下地研磨処理をしたのち、そのアクセサリーの雰囲気に合う仕上げ研磨を選択して仕上げていきます。
ここで仕上げ研磨の基本の流れをしっかりと覚えてもらえればと思います。
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1湯口を取る(キャスト吹き上がり品の場合)
金属を流し込んだ湯道のカット部分(湯口)を研磨していきます。
鉄工ヤスリ(中目)やダイヤモンドヤスリ、リューター用の砥石ビットなどを使ってデザイン表面部分ギリギリまで削っていこう。
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2全体を下地研磨する
次に、リューターに研磨用先端工具であるペーパーロールサンダーなどを付けて、全体を研磨していきます。
目が粗い#240で形の成形をおこない、#1000で#240の研磨キズを消していくと、下地処理が完了となります。
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3仕上げ研磨する
【パターン1】鏡面仕上げ
#1000まで磨いた地金表面を、リューターに取り付けたバフで磨きます。
バフ粉をたっぷりと付けて、鏡面になるまで磨いていきましょう。
【パターン2】つや消し仕上げ
#1000まで磨いた地金表面に、つや消し用の先端工具をリューターに取り付け、好みのつや消し具合になるまで磨いていきます。
そのほかのパターンとして、ダイヤモンドポイントを使ったザラピカ仕上げやいぶし液を使ったりいぶし仕上げ、アンティーク調に仕上げる古美仕上げや白仕上げ・ナナコ彫りなど色々な仕上げ方法を詳しく紹介していきますね。
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4超音波洗浄する
仕上げ研磨でこびりついたバフカスや研磨材の残りを高い周波数で液体を振動させ、無数に発生した気泡によって短時間できれいに汚れを落とします。
この無数の真空状態の泡が割れた瞬間に起きる衝撃波によって、アクセサリーに付着した汚れが取り除けるのです。
アクセサリー洗浄用の超音波洗浄機としては、周波数40kHz以上のものが理想です。
超音波洗浄機のセッティングおよび使い方
用意するもの
- 超音波洗浄機
- バフカス洗浄液
- 超音波洗浄機用フック・カゴ
- ドライヤー
- トレイ&タオル
セッティング&使い方
超音波洗浄器内に記された「ここまで水を入れるライン」まで水を入れます。
次にその水に洗浄液を入れます。(目安は10倍~20倍に薄まる量です。)
ヒーターを50℃にセットして、水を温めます。
50℃近くまで温まったら、洗浄機に洗浄カゴや洗浄フックをかけてアクセサリーを洗浄していきます。
(洗浄時間は汚れ度合いによりますが、大体3分ほどを目安に確認してみてください。)
洗浄したら水洗いします。
柔らかいタオルを敷いたトレイにアクセサリーを置き、アクセサリーに付いた水滴をタオルで軽くおさえるように拭き取り、自然乾燥またはドライヤーで乾燥させたら完了です。
(水滴を綺麗に拭き取らないで乾燥させると、その部分が白く濁ってしまいます。)
鏡面仕上げしたシルバーアクセサリーを超音波にかけると、たまに白く濁ったような表面になることがある。そうなってしまったら、その部分をもう一度バフをかけ⇒超音波とやり直す必要がある。
水に弱いまたは硬度が低い・クラックがあるような宝石が留めてあるものは超音波はかけないで仕上げとなる。
いぶし仕上げのアクセサリーは水を温めずに、サッとくぐらせる程度で終わり。
洗浄しすぎるといぶしが剥がれてしまうので気をつけよう。