アクセサリー解剖学ツールとは
実際に起こりうるシチュエーションと持ち寄ったデザイン(イメージ画像や3面図)から、条件を読み取り、最適なアクセサリーの作り方パターンを導き出せるよう体系化したツールです。
Accessories Anatomy Tool(アクセサリー解剖学ツール)のそれぞれの頭文字から「AATool」と名付けました。
AAToolの使い方
シチュエーションを考える。
まずは今あなたが取り組もうとしているアクセ制作のシチュエーションを考えてみよう。
こちらがシチュエーションのサンプルになります。
シチュエーションサンプル
自分発信
(自分発信とは、自分自身が考えてアクセ制作を取り組もうとすること。)
- ネットで販売する指輪を制作する。
- イメージ画像(3面図)は、自分で用意する。
- 素材はシルバー925で、鏡面仕上げにしたい。
- 量産品
- リングサイズは号数展開を視野に入れた号数で作る。
- 予算は3千円以内でおさめたい。
- 原型の納期は2週間まで、量産品の納期は1ヶ月までを目標とする。
あなたが持っているスキル
相手発信
(相手発信とは、第3者から頼まれてアクセ制作を取り組もうとすること。)
- オーダーメイドの指輪の注文が入った。
- イメージ画像(3面図)は、相手と相談後に用意する。
- 素材はK18で、鏡面仕上げとなる。
- 1点もの
- リングサイズは11号。
- 予算は3万円以内まで。
- 納期は2週間まで。
あなたが持っているスキル
イメージ画像を用意しよう。
自分自身や相手が書いた手書き画や写真・ネット画像などから、制作に必要な寸法が分かる3面図のイメージ画像を用意しましょう。
イメージ画像サンプル
3つの条件をピックアップする。
シチュエーションから、以下の3つの条件に当てはまる答えを導き出します。
作りたい素材は?
シルバー(SV925)
金/プラチナ/その他(K10/K14/K18/Pt900/etc.)
1点もの or 2個以上の量産品
1点もの
2個以上の量産品
どのスキルを使う?
ワックス原型スキル
地金制作スキル
作り方パターン分類表に3つの条件を当てはめて絞る込む。
3つの条件から出した答えを「作り方パターン分類表」にある9つのパターンに当てはめてみて、いくつかのパターンに絞り込もう。
基本的にキャスト・型製作は外注に頼み、最後の仕上げ作業は自身でするものとします。
作り方パターン分類表
各パターンの枠内をタップすると、詳細が表示されます。
パターン1
SV925で作りたい・1点もの・地金制作スキルを使う
作り方の流れ
SV925の地金 ⇒ SV925のアクセ
SV925の地金を直接、切ったり・削ったり・くっつけたりして作り出す。
制作費
SV925の地金やパーツ代がかかる
制作日数
あなたの地金制作スキルによって制作日数が変わる。
(自身で制作日数を決められる。)
パターン2
SV925で作りたい・1点もの・ワックス制作スキルを使う
作り方の流れ
ワックス原型 ⇒ キャスト ⇒ SV925のアクセ
ワックスでデザインを作り、SV925でキャストして作り出す。
制作費
ワックス代、キャスト代(地金代+加工賃等)がかかる。
制作日数
あなたのワックス制作スキルによって制作日数が変わる。
(自身で制作日数を決められる。)
キャストが出来上がってくる納期の目安を確認しておくこと。
仕上げ研磨の作業時間を確認すること。(1時間など)
キャストして出来上がってきたアクセは、少し縮みます。
作るデザインによって収縮率が変わるため、色々と作ってみて縮む感覚を覚えていきましょう。
パターン3
SV925で作りたい・量産品・地金制作スキルを使う
作り方の流れ
地金で作ったSV925のアクセ(型用原型)⇒ 型取り ⇒ キャスト ⇒ SV925のアクセ(複製品)
SV925の地金を切ったり・削ったり・くっつけたりして作り出したアクセを型用の原型として使い、ゴム型を作る。そのゴム型を使って、SV925でキャストして複製していく。
制作費
SV925の地金やパーツ代、型代、キャスト代(地金代+加工賃等)がかかる
制作日数
あなたの地金制作スキルによって制作日数が変わる。
(自身で制作日数を決められる。)
ゴム型・キャストが出来上がってくる納期の目安を確認しておくこと。
仕上げ研磨の作業時間を確認すること。(1時間など)
パターン4
SV925で作りたい・量産品・ワックス制作スキルを使う
パターン5
K10/K14/K18/Pt900などで作りたい・1点もの・ワックス制作スキルを使う
作り方の流れ
ワックス原型 ⇒ キャスト ⇒ K10・K14・K18・Pt900のアクセ
ワックスでデザインを作り、K10・K14・K18・Pt900などにキャストして作り出す。
制作費
ワックス代、キャスト代(地金代+加工賃等)がかかる。
制作日数
あなたのワックス制作スキルによって制作日数が変わる。
(自身で制作日数を決められる。)
キャストを外注する場合は、納期の目安を確認しておくこと。
仕上げ研磨を自身でおこなう場合、作業時間を確認すること。(1時間など)
パターン6
K10/K14/K18/Pt900などで作りたい・1点もの・地金制作スキルを使う(型取り)
作り方の流れ
地金から作ったSV925のアクセ(型用原型)⇒ 型取り ⇒ キャスト ⇒ K10・K14・K18・Pt900のアクセ
SV925の地金を切ったり、削ったり、くっつけたりして作り出したアクセを型用の原型として使い、ゴム型を作る。そのゴム型を使って、K10・K14・K18・Pt900などにキャストする。
制作費
SV925の地金やパーツ代、キャスト代(K10・K14・K18・Pt900などの地金代+加工賃等)、型代がかかる。
制作日数
あなたの地金制作スキルによって制作日数が変わる。
(自身で制作日数を決められる。)
ゴム型・キャストが出来上がってくる納期の目安を確認しておくこと。
仕上げ研磨を自身でおこなう場合、作業時間を確認すること。(1時間など)
パターン7
K10/K14/K18/Pt900などで作りたい・1点もの・地金制作スキルを使う(直接)
作り方の流れ
K10・K14・K18・Pt900の地金 ⇒ K10・K14・K18・Pt900のアクセ
K10・K14・K18・Pt900の地金を切ったり、削ったり、くっつけたりして作り出す。 (地金屑のロスが出てしまうため、地金を直接加工する手段はあまりおすすめしていない。)
制作費
K10・K14・K18・Pt900の地金やパーツ代がかかる。
制作日数
あなたの地金制作スキルによって制作日数が変わる。
(自身で制作日数を決められる。)
パターン8
K10/K14/K18/Pt900などで作りたい・量産品・ワックス制作スキルを使う
作り方の流れ
ワックス原型 ⇒ キャスト ⇒ SV925のアクセ(型用原型)⇒ 型取り ⇒ キャスト ⇒ K10・K14・K18・Pt900のアクセ
ワックスを彫って、SV925でキャストしたアクセを型用の原型として使い、ゴム型を作る。そのゴム型を使って、K10・K14・K18・Pt900などにキャストして複製していく。
制作費
ワックス代、キャスト代2回(SV925・K10・K14・K18・Pt900などの地金代+加工賃等)、型代がかかる。
制作日数
あなたのワックス制作スキルによって制作日数が変わる。
(自身で制作日数を決められる。)
ゴム型・キャストが出来上がってくる納期の目安を確認しておくこと。
仕上げ研磨を自身でおこなう場合、作業時間を確認すること。(1時間など)
パターン9
K10/K14/K18/Pt900などで作りたい・量産品・地金制作スキルを使う
作り方の流れ
地金から作ったSV925のアクセ(型用原型)⇒ 型取り ⇒ キャスト ⇒ K10・K14・K18・Pt900のアクセ
SV925の地金を切ったり、削ったり、くっつけたりして作り出したアクセを型用の原型として使い、ゴム型を作る。そのゴム型を使って、K10・K14・K18・Pt900などにキャストして複製していく。
制作費
SV925の地金やパーツ代、キャスト代(K10・K14・K18・Pt900などの地金代+加工賃等)、型代がかかる。
制作日数
あなたの地金制作スキルによって制作日数が変わる。
(自身で制作日数を決められる。)
ゴム型・キャストが出来上がってくる納期の目安を確認しておくこと。
仕上げ研磨を自身でおこなう場合、作業時間を確認すること。(1時間など)
絞り込んだパターンの制作費と納期を求めて、さらに絞り込む。
それぞれの作り方パターンの制作費や納期を求めて、さらに絞り込みを行う。
絞り込みのポイント
制作費は予算内でおさまるのか?
納期までに間に合うのか?
求め方はこちらを参照ください。
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想定制作費の求め方
アクセサリーを販売するとなった時に、必ず聞くことになるフレーズがあります。 それは、「いくらで作れるの?」です。 例えば、お客さんがデザイン画を持ってきて、「このデザインと同じものが欲しいんだけど、い ...
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納期の求め方
ステップに沿ってすすめていき、納期を算出してみましょう。 step1地金・ワックスで原型を作る制作日数は? これは今のあなたの持っているスキルレベルで変わってきます。 例 2日と半日で制 ...
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地金・ワックスの両パターンが残ったら、どちらかに絞る。
ここまでで地金とワックスの両パターンの作り方が残ってしまった場合は、
- あなたにとって作りやすい作り方はどちらか?
- デザインの雰囲気が出しやすい作り方はどちらか?
この2つの視点で考えて、地金かワックスのどちらかの作り方かに絞り込もう。
デザインの雰囲気が出しやすい作り方は?
パターン番号:
理由:
導き出したパターンで作ってみよう!
用意したイメージ画像をもとに、導き出した最適な作り方でアクセサリーを作っていきましょう!