ロウ付けの環境が整ったら、いよいよロウ付けの実践といきたいところなんですが、その前にロウ付けの知識を入れておいてほしいと思います。
この知識を事前に知った上でロウ付けするのと知らないままロウ付けするのとでは、ロウ付け習得の時間に大きな違いが出てくるのです。
的確なロウ付けスキルをより早く身につけてもらうためにも、ここはしっかりと知識を吸収して実践に挑んでいきましょう。
ロウ材の種類とその役目
ロウ材とは?
金属同士をくっつけるときに使われる接着剤的な役割を持つ金属です。
母材となる金属の種類(シルバー・金・プラチナなど)に合わせて、ロウ材も「銀ロウ」「金ロウ」「プラチナロウ」「ホワイトゴールドロウ」などと使い分けていきます。
そして各ロウ材には、それぞれ融点の違うロウ材があります。
ちなみにロウ材は融点が高いほど溶けにくいと覚えておいてくださいね。
ロウ材の種類(融点早見表)
融点の高い順に並んでいます。
プラチナ素材 | 素材 | 融点 | 備考 |
プラチナ1000 | 約1769℃ | ||
プラチナ900(プラチナ+イリジウム) | 約1800℃ | ||
プラチナ900(プラチナ+パラジウム) | 約1730℃ | プラチナアクセサリーとして一番使われている素材です。 |
プリンスガストーチ(大口) | 最高炎温度 約1700℃ |
このバーナーならすべてのロウ付け作業が可能。 | |
プリンスガストーチ(小口) | 最高炎温度 約1300℃ |
PL1とPL2のプラチナロウには使えません。 |
プラチナロウ | 名称 | 融点 | 備考 |
PL1 | 1400℃ | ユミコア=旧デグサ 流れ性は遅い |
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PL2 | 1240℃ | ユミコア=旧デグサ 流れ性は普通 |
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PL3 | 1090℃ | ユミコア=旧デグサ 流れ性は早い |
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Pロウ(金性14K) | 980℃ | コモキン |
ゴールド素材 | 素材 | 融点 | 備考 |
24金 | 約1065℃ | ||
18金 | 約860℃ ~1050℃ | ||
18金WG | 約1305℃ | ||
14金 | 約845℃ |
金ロウ | 名称 | 融点 | 備考 |
750L1(18Kロウ) | 815℃ | ユミコア=旧デグサ 流れ性は遅い |
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750L2(18Kロウ) | 780℃ | ユミコア=旧デグサ 流れ性は普通 |
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750L3(18Kロウ) | 750℃ | ユミコア=旧デグサ 流れ性は早い |
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585L1(14Kロウ) | 800℃ | ユミコア=旧デグサ 流れ性は遅い |
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585L2(14Kロウ) | 760℃ | ユミコア=旧デグサ 流れ性は普通 |
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585L3(14Kロウ) | 730℃ | ユミコア=旧デグサ 流れ性は早い |
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333L3(8Kロウ) | 680℃ | ユミコア=旧デグサ 流れ性は早い |
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18Kロウ | 810℃ | コモキン | |
16Kロウ | 780℃ | コモキン | |
14Kロウ | 760℃ | コモキン | |
10Kロウ | 745℃ | コモキン |
ホワイトゴールドロウ | 名称 | 融点 | 備考 |
750WL1(18Kロウ) | 840℃ | ユミコア=旧デグサ 流れ性は遅い |
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750WL3(18Kロウ) | 800℃ | ユミコア=旧デグサ 流れ性は早い |
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585WL(14Kロウ) | 780℃ | ユミコア=旧デグサ 流れ性は早い |
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ホワイトろう(金性12K) | 790℃ | コモキン |
ピンクゴールドロウ | 名称 | 融点 | 備考 |
585LR1(14Kロウ) | 800℃ | ユミコア=旧デグサ |
シルバー素材 | 素材 | 融点 | 備考 |
シルバー1000 | 約962℃ | ||
シルバー950 | 約910℃ | ||
シルバー925 | 約890℃ | シルバーアクセサリーとして一番使われている素材です。 |
銀ロウ | 名称 | 融点 | 備考 |
2分 | 820℃ | コモキン 流れ性は遅い |
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3分 | 780℃ | コモキン 流れ性は遅い |
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5分 | 750℃ | コモキン 流れ性は普通 |
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7分 | 720℃ | コモキン 流れ性は普通 |
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9分 | 730℃ | コモキン 流れ性は普通 |
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10分(早ロウ) | 620℃ | コモキン 流れ性は早い |
銀ロウの数字の意味
銀10に、割金(銅と亜鉛)をいくつ加えたかという意味で、割金の数字がそのロウ材の名前となっています。
例えば、純銀10+割金5は、5分ロウです。
全体15のうち、銀が10、割金が5なので、銀の含有量は10÷15≒67%となります。
割金が増えるほど、色味が真鍮色である黄色が強く出て強度が弱くなりますが、 ロウ付け作業自体は溶けやすく容易になります。
なぜ融点のちがうロウに分かれているのか?
例えば、複数回のロウ付けを行う場合に融点の高いロウから使い、次のロウ付けに融点の低いロウを使うことで、既にロウ付けした箇所のロウを溶かさないよう、次のロウ付け作業をしやすくするためです。
融点の高いものから順番に使っていくと覚えておきましょう。
銀ロウの種類とその役目
5分ロウ
溶けやすく流れやすいもっとも使いやすいロウ材なので、これを基本に考えます。
複数回のロウ付けの場合、5分⇒7分の流れで全てのロウ付けを完了させるのが理想です。
ロウ付け箇所が離れている場合やロウ付けが慣れてきたら、5分⇒5分と同じロウで流せるようにしましょう。
7分ロウ
5分と同じく溶けやすく流れやすいロウ材。
複数回のロウ付けの場合、5分⇒7分の流れで全てのロウ付けを完了させるのが理想です。
3分ロウ
融点が高くロウ目(ロウ付けした部分)も出にくいため、サイズ直しに使われるロウ材。
慣れていないと熱を当てすぎて、母材自体を溶かしてしまうおそれがあるので注意。
扱いに慣れてきたら、3⇒5⇒7と複数回ロウ付けに加えていきましょう。
10分ロウ(早ロウ)
溶けやすいが流れにくいロウ材。
硫化による変色が早いのでリングの接合部分など、ロウ目が分かりやすいような部分には使わない。
型用原型として製作する場合やメッキをかける場合には使用してもOK。
2分ロウ
融点がもっとも高く、母材の溶ける融点に近いので、ロウ付けがもっとも難しい。
よく有線七宝の時に使うロウ材なので、普段のロウ付けには使いません。
9分ロウ
早ロウのように黄色く、7分ロウより融けにくいという異質なロウ。
真鍮用のロウとして使われていたという話で、普段のロウ付けには2分同様使いません。
ロウ材選びのポイント
銀ロウ
3分、5分、7分、早ロウを揃えます。
5分が一番使うロウで、次に7分、この2つのロウは多めに持っていること。
次に3分、リングのつなぎ目のロウ付けなどに使います。
早ロウは細かな部分やロウ目が目立たない位置などに使い、あまり多用するロウではないが用意しておくといいだろう。
金ロウ
18金なら18Kロウ、14金なら14Kロウと素材に合わせて使うのが基本。
18金はシルバー925よりも融点が若干低いので、慣れないうちはあまり融点の近いロウ材を選ぶと母材自体を溶かしてしまう可能性が出てくる。
なので、作業のやりやすさを考えて、5分の銀ロウの溶け出す感覚に近い融点のロウ材を選ぶと良いだろう。
18金ならデグサの750L3=750℃
14金ならデグサの585L2=760℃または、コモキンの14Kロウ=760℃
プラチナロウ
PL2が3つの中で一番扱いやすい。
ロウの流れも良く、Pt900の色味に近いのがこのロウだ。
余談になりますが、建物火災が起きた時の室内温度は、約1100℃~1200℃ぐらいになるそうです。ということは、プラチナだけは溶けずに原型のまま残っているということになりますね。あとは原型をとどめていないかも。
ロウの性質・特徴
この3つの性質・特徴をしっかりと頭の中に叩き込んでおいてください!
ロウの性質・特徴
- 酸化したところには流れにくい。(プラチナは酸化しないのであてはまりません)
- 溶けたロウは、地金の温度が高い部分へ流れようとする。
- 溶けたロウは、隙間に流れようとする。
ロウ付け7つの攻略ポイント
まずはシルバーでロウ付けの感覚を掴んでいきます。
シルバーでロウ付けができるようになれば、ゴールド・プラチナもやり方自体は基本一緒なのですぐにマスターできるでしょう。
それでは、ロウ付けが上達するために作業中にどんなことを考えてロウ付けに挑めばいいのか、そのポイントをいくつか紹介したいと思います。
セッティング時
パーツは常にキレイな状態で
ロウは地金のキレイな面に流れやすい性質があります。
なので糸鋸時に付着したスリ板の木屑や研磨の地金粉や研磨材・手の油などが付着しているとうまく流れていきません。
ロウ付け前は、地金をキレイに洗浄してください。
そして、フラックスもキレイなものを使い、ロウ付け箇所にしっかりと塗りましょう。
予測を立ててセッティングする
「溶けたロウは熱い方へと流れようとし、隙間があれば隙間に流れようとする」
このロウ材の性質を念頭に組み立てたいパーツのカタチを見て、
- 母材は作業台に直置きするのか、第3の手で固定するのか?
- ロウ材はどこに何個置くべきか?
- バーナーをどこからどんな角度で当てていけばいいのか?
- そしてその結果、ロウはどのように流れていくのか?
予測からセッティング方法を導き出し、ロウ付けしてみよう。
成功にしろ失敗にしろ、事例を増やしていくことは上達の近道です。
ロウ付け時
スムーズにロウを溶かすために
「ロウ付けだからロウを溶かさなきゃ!」と思いがちですが、必ずしもすべてのロウ付けにおいて直接ロウに炎を当てる必要はない。
それよりも大事なのは、まずはロウ付けしたい接合部分の周りの地金の熱を逃がさないように加熱させていくことだ。
そして、接合部分が一番熱くなるように炎を当て、そこの地金温度をロウの融点まで上げていく。
これが出来れば、ロウは直接当てなくても、熱伝導で溶けて流れてくれるのだ。
慣れないうちは、ロウが溶け出すまでの間はむやみにバーナーをフラフラと動かして、炎の当てる箇所をぶらしてはいけない。
ぶらし過ぎるとなかなか温度が上がらず、長い時間炎を当て過ぎることとなり、結果フラックスが焼き切れて失くなってしまいます。(これをロウが枯れるという。)
そうなるとその部分は酸素と触れ合うようになり、逆にロウや母材自体に酸化皮膜を作ってしまい、溶けない状態にしてしまうのだ。(地金やロウが黒くなってしまう。)
ロウが溶け出すタイミングを知る
炎が当っている地金部分の色の変化を確かめ、ロウが溶け出した時に地金の色がどんな感じなのかを覚えておくこと。
地金の色を見ただけで、溶けるタイミングが分かるようになるのが理想です。
シルバーの場合、 地金の表面が白みがかって、つぎに炎が当たっている部分が赤くなってきた時がロウが溶ける状態になったサインです。 (ロウの種類によって若干の溶けるタイミングの誤差あり)
ロウを流したい部分が均一に熱くなるように
ロウ付けしたい接合部分のどちらか一方だけがロウが溶ける融点に達してしまうと、そちら側に溶けたロウが流れていこうとします。
そうならないためには、2つの接合部分の温度が同時に融点に達するように上手く炎を当てなければいけません。
特に2つのパーツの厚みや大きさに差があるロウ付けの場合は、注意が必要です。
大きいパーツから先に熱したり、小さいパーツにピンセットを当てて熱を奪うなどして、2つのパーツの地金温度を均一にしながらロウ付けしていきます。
ロウが溶けたら直ぐに引く、必要以上に当てない
ロウが接合部分にしっかりと流れ込んだのを確認したら、すぐに炎を引くこと。
ロウが溶けたにも関わらずさらに炎を当て続けていると、ロウは沸点に達してブクブクと水が沸くような現象が起きてしまいます。
この状態のまま固まってしまうと、ロウ付け箇所に小さな穴『巣(ス)』ができてしまいます。
他にも、ゴミなどの不純物が入り込んだまま固まってしまい、巣になってしまうこともあります。
巣を出さないためには
- すり合わせをしっかりとおこなうこと。
隙間が開くほど埋めるロウの量も多くなってしまい、必然的に巣の出来る可能性も高くなります。 - ロウを流しやすくするためにも、フラックスは常にキレイな状態のものを使いましょう。
- ロウ付け時は、2つの接合部分同士が同時に融点に達するように当て、ロウが流れたらすぐに炎を引くこと。
例えば、熱が伝わりづらい厚みや大きさのものをロウ付けする時などは当て方に注意が必要です。
溶けたロウを誘導させよう
溶け出したロウを「熱い方へと流れようとする特徴」を利用して、バーナーの炎の位置を移動させ、ロウを誘導してあげます。
なかなかロウが流れていかないときには、ピンセットでロウに触れ、流したい方へ導いてあげる力技もできます。
ただし、必要以上に時間をかけすぎないことが大前提です。
【映像で学ぶ】ロウ付けの作業手順
ロウ付けの作業手順
この映像では一部、音が流れます。音量を確認してからご視聴ください。
母材を少し冷ましてからディクセルに入れるのは何故ですか?
火むらが出やすくなってしまうからです。
なので、部屋の室温にもよりますが、母材を10~15分程度冷ましてからディクセルに入れるようにします。
ロウ付け後に全体研磨する工程であれば、すぐにディクセルに入れても構いません。
(ちなみに白仕上げをする場合には、すぐにディクセルに入れます)
ロウが溶けない理由は2つ
地金の表面が酸化してしまったか、ロウ自体が酸化している!
見分け方
- 地金表面が黒く焦げたような状態になっている。
- ロウ自体が黒く焦げついている。
考えられる溶けない原因
- フラックスはちゃんと塗ってあったか?
- 汚いフラックスを使っていなかったか?
- 炎をゆらゆらとブラして当てていなかったか?
- 地金を加熱させるのに時間をかけすぎていなかったか?
解決策
ロウ付けする接合面とその周りの酸化皮膜をペーパーロールサンダーなどで削り落とし、綺麗なフラックスを塗り、新しいロウ材を置いて、もう一度ロウ付けしてみよう。
なるべく大きな炎で地金を加熱して、熱を逃さないようにロウの融点までスムーズに温度をあげていこう。
そして、ロウが溶ける頃になったら接合部分を集中的に当て、そこの地金温度をロウの融点まで一気に上げていく。
地金がロウの溶ける温度まで達していない!
見分け方
- ロウが溶ける地金の色になっていたか?
※ロウの置いた地金部分が真っ赤になっているのに溶けない場合は、地金やロウが酸化しているかも。
考えられる溶けない原因
- 火力が足りないバーナーを使っていないか?
- バーナーの炎の絞りが甘く火力が不足していないか?
- 炎の当てる位置がズレていないか?
- 時間を掛けすぎてフラックスが焼き切れてしまっていないか?
- 接合する両方の地金をロウの溶ける温度まで上げていたか?
(接合する地金の厚みや大きさが違ければ違うほど、 ロウが溶ける温度に上がるタイミングがズレやすくなるので、 バーナーの当て方に注意が必要となる。)
解決策
一旦、ディクセルで酸洗いしたら、水洗いする。
そして再度綺麗なフラックスを塗って、ロウ付けしてみよう。
それでもダメなら、ロウ付けする接合面とその周りを研磨してから、ロウ付けしよう。
なるべく大きな炎で地金を加熱して、熱を逃さないようにロウの融点までスムーズに温度をあげていこう。
そして、ロウが溶ける頃になったら接合部分を集中的に当て、そこの地金温度をロウの融点まで一気に上げていく。
もう少し下の地金部分を温めていると、地金がロウの溶ける温度に達した瞬間に、丸いロウがサッと下の地金に溶け出していきますよ。
金のロウ付け
ロウの融点の違いはありますが、作業は銀のロウ付けの時と基本的に一緒です。
銀のロウ付けをマスターして、しっかりと金のロウ付けのポイントをおさえて作業すれば問題はないはずです。
金ロウの種類には、「18Kロウ」「16Kロウ」「14Kロウ」「10Kロウ」「WGロウ」などがあります。
素材に合わせたロウを使用するのですが、作業のやりやすさを考えると14Kロウがおすすめです。
ロウ付けのポイント
銅が多く含まれているため酸化しやすく、銀よりも扱いづらいです。
上手くロウを流すためには、きれいな新しいフラックスをしっかりと塗ることと、熱が逃げないように大きな炎で一気に温めてロウ付けするのがポイントです。
初めのうちは銀のロウ付けに比べ金の地金が高価なので、失敗できないというプレッシャーから慎重になりすぎてしまいます。
だからといって、バーナーの火力を弱くダラダラと長時間当てているとフラックスが枯れて酸化が起きてしまいます。
他にも、当てていた箇所をブラして温度差を出してしまっても酸化してしまいます。
逆にキラッと光ってロウが溶けたにもかかわらず、溶け残りのロウまでキレイに溶かそうと、さらに当て続けてしまうと温度が上がりすぎて、ロウの周りの母材までも溶かしてしまいます。
ロウが流れたのが確認できたら、溶け残りのロウがあっても気にせず、サッと炎を引いてください。
プラチナのロウ付け
銀・金よりも融点の高いロウ付けになる。
ロウを販売している会社によって呼び名や配合の割合などが違うのだが、今回はユミコア社(旧デグサ社)製のプラチナロウで説明します。
プラチナロウの種類には、「PL1」「PL2」「PL3」と3種類のものがあります。
大きな違いは、それぞれ融点がちがいます。
PL1=1400℃ PL2=1240℃ PL3=1090℃
PL2が3つの中で一番扱いやすい。
ロウの流れも良く、Pt900の色味に近いのがこのロウだ。
ロウ付けのポイント
プラチナは酸化しません。しかも融点も高いので、フラックスは蒸発してしまいあまり塗る意味がありません。
場合によってはロウ材の落下防止の糊付け役として使うといいでしょう。
プラチナのロウ付けには火力が必要なので酸素バーナーを使うのが一般的ですが、銀のロウ付けで使っている「プリンスガストーチの大口タイプ」でもプラチナのロウ付けは問題なくできます。
なぜなら、バーナーの最高炎温度が1700℃、プラチナロウの融点は高いものでも1600℃いかないぐらいなので、最高炎温度が1700℃まで出せるプリンスガスのバーナーなら十分プラチナロウを溶かすことが出来るのです。
(現にボクはこの方法でプラチナのロウ付けをしています。)
プラチナの融点が約1769℃なので、かえって母材自体を溶かす心配もなくロウ付けに専念できます。
プラチナは熱すると真っ赤になるので、初めてロウ付けする時は「溶けちゃうんじゃないか!」とビビってしまいますが、このバーナーなら溶けることがないので心配無用です。
逆に酸素バーナーよりも扱いやすいんじゃないかな。
最後に
彫金の中でロウ付けは、難しい技術の1つです。でもその分、うまく流れた時はホントに嬉しいですよ。
自分の思い描いた通りに、ロウがスススッとすきまに流れ込んでいく瞬間が、たまらなく気持ちいい!
個人的には「タガネで地金を彫っていく」次に、気持ちいい作業かな。
ロウ付けを自分のものにするまでには、少し時間がかかることでしょう。
でも、”なぜかうまく流れちゃった”では、ロウ付けがマスターできたとは言えません。
何度やっても、自分の思い通りにうまく流れてくれるって域に達しないといけないのです。
そのためにも色々なパターンのロウ付けに挑戦しながら、ロウの特徴を実際に肌で感じながら感覚を掴んでいくことが大切です。
「うまくいった」「失敗してしまった」その理由を常に考え、成功と失敗の事例の引き出しを増やし、次におこなうロウ付け成功のヒントに活かしていきましょう。
ロウ付けは、デザインの幅を無限大にしてくれる彫金の重要なスキルですので、ぜひ、この技術を自分のものにしてくださいね。
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ロウ付けで使う10の必須道具
ロウ付けとは? 接合する部材(母材)よりも融点の低い合金(ロウ)を溶かして、 母材となる金属の重なったすきまに流し込むことで、一体化させること。 揃えておきたい10のロウ付け道具 耐火レンガ(イソライ ...
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