序章1~彫金に導かれし者

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第1話 旅のはじまり?

しばらくしたある日のこと

外出先から自宅のマンションに戻ってきたあなたは、いつものように郵便ポストからチラシを抜き取っていた。

すると奥に、小さな小包が入っているのに気付いた。

差出人を見てみると、KARMAREYと書いてある。

「かーまりぃ?」

差出人を思い出そうとしたが、心当たりがない。
部屋に向かうまでの間、ありとあらゆる記憶を辿ってみたが、なにも思い出せない。

あなたは玄関のドアを開け、中に入ると、すぐさまリモコンのスイッチを押す。
TVをBGM代わりに、チラシの選別を済ませていく。

「さて、あとはあの小包か」

戸惑いと好奇心が入り混じる心境の中、ゆっくりと小包を開けていく。

中には、なにやらプチプチにくるまれた手の平サイズの物体。

プチプチを破ってみると、なんと!

クマのアクセサリーが出てきたのだ。

「?」

「・・・こんなもの頼んだかな?」

TVから、いつもの番組のタイトルコールが流れ出した。

22時をまわった。

「やばっ!もうこんな時間っ!」

あなたは、手に取ったアクセサリーを机に置くと、急いでバスルームへと向かうのだった。

旅のはじまり?

あなたの意識に語りかける声が聞こえてくる。

この世のどこかにジュエリルワールドという、命を持ったアクセサリー” ジュエリル ”が住んでいる世界が存在する。

そなたがクリエイターを目指すならば、その世界に散らばっている” スキルのかけら ”を探し出し、彫金に関する知識と技術を習得するのだ。

自身の進むべき道とは如何に?

使命とは何だ?

そなたはその世界で、クリエイターとなるべく修行を積み、新たな自分を見つけ出すのだ!

さあ、パスワードは今ここに。

『夢なのか?』

意識がハッキリしてきたのと同時に、木の香りが漂っているのを感じた。

目を開けてみたが、突然光が飛び込んだせいか、焦点が合わずボヤケてしまった。

しかし、なにか雰囲気が違うことは分かった。

だんだんとその明るさに目が慣れてくると、周りがハッキリと分かってきた。

どうやらあなたは見知らぬ部屋のソファーで眠っていたようなのだ。

目の前のテーブルには、あのクマのアクセサリーがある。

部屋を見渡すと何かの作業場なのだろうか、たくさんの工具が置いてあった。

 

『ここはどこだろう?まだ夢の中?』

ソファーから起き上がろうとしたそのとき、テーブルに座っていたクマのアクセサリーがひょいっと立ち上がったのだ。

「うわあ!」

お互いにその場で尻もちをついた。

「イタタタタ。」

クマのアクセサリーはもう一度起き上がると、

「こんにちは。」

あなた
「エッ?なにこれ!喋るの!?」

クマのアクセサリー
「お待たせしました。」

クマのアクセサリーは、あなたの前に近づいてきた。

あなた
「動いたりもするの!?」

クマのアクセサリー
「動きますよ。」
「おおおっと、そうでした。」

「自己紹介を忘れていましたね。」

「オホン!え~ボクはこの通り、しゃべったり、歩いたりできる命を持ったアクセサリーの” ジュエリル ”です。」

「” ユフィリー ”と呼んでくださいね。」

「ジュエリルは、クリエイターになりたい人の前に現れて、その方をジュエリルワールドへ案内します。」

あなた
「ジュエリルワールド?」

ユフィリー
「そう。案内するためのパスワードを持ってきましたよ。」
「それと” スキルのかけら ”もね。」

あなた
「?」

ユフィリー
「まずは、その前にあなたのニックネームを決めましょうかね。 」

「っていうか、もう決まってますけどね。」

「これから向かう世界でのあなたのニックネームは”カルマ ”です!」

そう言うと、ユフィリーはペコリとお辞儀をした。

「それでは改めまして、ボクはユフィリー!これからどうぞよろしくね、カルマ!」

「それでは早速、これから教えるパスワードを使って、この書に名を刻み込んできてください。」

「普段使っている名でいいですからね。」

「これでカルマは、プロのノウハウの詰まったすぐに実践で使える彫金スキルを手に入れることができるようになるからね。」

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第2話 やるべきこと

ジュエリルワールドとは?

ユフィリー
「カルマが今いる場所は、夢と現実をつなぐ島 ” ドリームハーフ ”というところです。」

「ちょうどここは、カルマの住む現実世界とジュエリルワールドの世界との中間地点ってところですかね。」

ユフィリーはテーブルの端から端を行ったり来たりしながら語りだした。

「ここは、はるか昔、ある種族が住んでいた孤島なんです。」

「彼らは、アクセサリーを作り出すスキルと、そしてある特殊な能力で特別な世界を作ったのです。

「それが、ジュエリルワールド!!」

「そして、” その世界の入口 ”が、このドリームハーフのどこかにあるというのです。」

「さて、そのジュエリルワールドとはどんなところなのか?」

「この世界には、” スキルのかけら ”と呼ばれるアクセサリーを作るための知識と技術の結晶体が、かけらとなって散らばっているのです。」

「クリエイターを目指す者たちは、そのスキルのかけらを見つけ出すため、NEO-KARMAREYという集団に属することが許されます。」

「仲間となった者同士で新たな知識や技法を高め合うことができ、そこで得られるスキルはすべて仲間になった者たちの共有財産となり、個々の目指すべき道のために、スキルを自由に使うことが許されているそうです。」

「NEO-KARMAREYになれれば、思い描いたデザインのアクセサリーを作り出せる彫金スキルを習得することが出来るのです。」

「そして、特化した知識や技術を習得している者は、” スキルマスター ”として、弟子を持つことが許され、クリエイターを目指す者たちの指導を任されます。」

「同じ方向を目指す者同士が、いつでもどこにいても集まることができ、悩みや疑問を打ち明け、相手を思いやり、感謝し、ときには励まし、明日につながるエネルギーとアイデアを生み出すパワースポット。」

「孤高のクリエイターたちが共存共栄できるコミュニティクラスタ。」

「それが、NEO-KARMAREYなのです!」

まずは・・・

ユフィリー
「カルマには、ジュエリルワールドの世界の入口を見つけてもらいたいのですが、まずはその前に、スキルのかけらについて学んでもらいます。」

「スキルのかけらには、彫金に関する知識と技術の叡智(えいち)が刻まれています。」

「手に入れたスキルのかけらは知っての通り、カルマの持っているスマホやPCからいつでも見られるようにリンクしています。」

「しかし、かけらに刻まれた叡智は、実際に行動に移してこそはじめて意味を成すものです。」

「スキルのかけらには、こんな言い伝えがあります。」

 

” 受け継がれし記憶を我が内に修めるは行動あるのみ、さすれば道は照らされるであろう。 ”

 

「しっかりと自分の血肉に変えてくださいね。」

「そうすれば、NEO-KARMAREYへと近づけるでしょう。」

 

ユフィリーからの贈り物

ユフィリー
「今日もボクから、スキルのかけらをプレゼントしましょう。」

「前回のかけらは見てくれましたか?」

「このかけらたちで、彫金の基礎知識を身につけてくださいね。」

「まったくの初心者の方でもここに刻まれた叡智に触れれば、彫金というものが理解できるはずです。」

ユフィリー はそう言うと、カルマの首に取り付けたネックレスチェーンにぶら下がる格好で、ペンダントトップとなったのだ。

「それでは、いざジュエリルワールド目指して出発!」

丸太小屋の扉が開いた。

 

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第3話 隠遁者

丸太小屋の開いた扉から、カルマは外に出た。

するとそこは、360度に湖が広がり、それを囲むようにして森が生い茂っている場所だった。

なんと、湖の真ん中の中地に、小屋が建っていたのだ!

傍には、切り株で出来たテーブルと椅子が置いてあり、あちこちに、動物の形をしたワックス原型やシルバーアクセサリーが散らばっていた。

それは膝丈くらいの大きさのものから、手のひらサイズのものまで大小様々。

ライオン、ゾウ、キリン、トラや、想像上の生物のかたちをしたものもいた。
なかには、服を着ているものもいる。

湖の岸辺を見ると、小さな桟橋があり、ボートがつながっている。

ぐるりと小屋の外側を周ってみたが、誰もいなかった。

辺りはひっそりと静まり返っている。

カルマは切り株の椅子に腰を下ろした。
テーブルには、彫りかけのワックスと工具が置いてあった。

チェーンにぶら下がっていたユフィリーが、

ユフィリー
「その工具、スパチュラですね。」

そう言って、テーブルに飛び降りた。

スパチュラとは、ワックスを彫ってデザインに仕上げていくための彫金工具のことである。

ユフィリー
「カルマは、アクセサリー作りに必要な工具、全部答えられますか?」

カルマ
「作るデザインによって、使う工具はちがうんじゃないかな。」

ユフィリー
「確かにそうですね。」

「作り方によっても違うでしょうしね。」

「そもそも、アクセサリーというものは、他のものに比べて、デザインの制約がほとんどありませんからね。」

カルマ
「どういうこと?」

ユフィリー
「例えば、車を作るなら、動かすためにエンジンやタイヤを付けないといけないとか、人を乗せるスペースが必要だとか、いろいろな制約がある中でデザインを考えますよね。」

「アクセサリーを作る場合、ほらっ!あそこにシルバーで出来たキリンが転がっていますよね。」

「あのキリンに、指を通すパーツを付けちゃえば、指輪になるし、チェーンを通すパーツ(バチカン)を付ければ、ペンダントトップにもなっちゃうんです。」

「形あるもの、全てがアクセサリーに大変身です。」

「そう、ボクのようにです(笑)」

そう言って、ユフィリーがポーズを決めた。

「デザインは無限大というわけですよ。」

「そのデザインを、どの材料で、どの工具を使って、どのようにして作っていくかは、作り手の自由なんです。」

「想像と知恵を絞れば、作り方は何通りも浮かんでしまうんですね。」

「スキルマスターともなれば、そのアクセサリーのデザインから、多くの作り方のパターンを想像して、その中から今選ぶべき最善の作り方を導き出すことができるんです。」

「どの材料で、どの工具を使って、どのようにして作っていくかをね。」

「だから実際に作っている者から学べること、これが一番のスキル上達の近道なんですよ!」

 

「その通りじゃな。」

突然、カルマたちに話しかける声が聞こえた。

声の方を振り向くと、トラのジュエリルがテーブルに立っていたのだ。

トラ
「実際に作ってきた者がいう言葉には、魂が宿っているんじゃ。」

「なぜなら、培ってきた経験の中から絞り出した答えだからじゃ。」

「ワシは、” ガウディ ”という、アクセサリー作りを愛する者じゃ。」

ガウディは、 カルマが持っている工具を見て、

「工具選びの基本はじゃな、まずは、作る材料が何であるかを知ることじゃ。」

「作る材料によって、使う工具が限られてくる。」

「次に、その選んだ工具から、さらに工具を絞り込むんじゃ。」

「ポイントは2つ、

①そのアクセサリーを完成させるために、絶対に必要となる工具か
②その人の技量をカバーするために使う、あったら便利な工具か

自分がいざ、アクセサリーを作ろうとしたとき、この2つのうちのどちらに該当する工具なのかを見極めることなんじゃ。」

「①の工具にプラスして、自分の今の技量に合わせて、必要であれば②の工具も用意するとよいじゃろう。」

「まずは材料と使う工具の知識を学ぶことが先決じゃな。」

ガウディは、ポケットから何かを取り出すと、

「ほれっ!」

カルマにひょいっと投げてよこした。

「作り方には地金とワックスの2種類の方法があることは知っておるじゃろ。」

「まずは、ワックス原型制作について学ぶといいだろう。」

ガウディからの贈り物

ガウディが渡したものは、スキルのかけらだった。

ガウディ
「ワックスの原型制作の流れや、使う材料や工具が理解できるはずじゃ。」

 

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ワックス原型制作で使う17の必須道具

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ガウディ
「より深く理解するには、実際に体験するのが1番なんじゃが・・・」

「おお、そうじゃ!あそこで仮想体験でもしてもらおうかの。」

ガウディは桟橋を指さした。

「この湖の先の森を進むと、パヴェ(石畳)でできた道にぶつかるはずじゃ。」

「その道を東へ向かうといい。」

「そこでかけらを合成してもらえば、ワックスの知識がより深まるはずじゃ。」

カルマ
「合成って・・?」

ガウディ
「ほれ、行けばわかる。」

ガウディにせかされて、カルマは慌てて立ち上がると、

カルマ
「感謝します。」

深くお辞儀をした。

ガウディ
「礼には及ばん。これがワシの使命じゃからな。」

 

第4話 合成屋

両側を森で囲まれた石畳の道が、ずっと先まで続いている。

この石畳の道を、” 森のパヴェ回廊 ”と呼ぶのだそうだ。

ガウディの丸太小屋をあとにしたカルマは、ユフィリーを首にぶら下げ、森のパヴェ回廊を東へと歩いていた。

カルマ
「ガウディさんはユフィリーと同じ仲間なの?」

ユフィリー
「ど、どうしてですか?」

カルマ
「ジュエリルはみんな同じなのかなって。」

ユフィリー
「そういうことですか」

「ジュエリルは、皆それぞれ、何かの生き物の仮の姿なんです。」

「それよりも、ガウディがなぜワックス原型制作を先に学べと言ったのかわかりますか?」

「ワックス原型制作は、地金製法に比べて、揃える工具の数も少なく、どこでも作業ができます。」

「しかも、地金ほど高度なスキルもいらず、初めての人でも、感覚的に作り出せてしまうほど、スキルがシンプルなんですよね。」

「地金に比べてワックスなら、スキル・環境・金銭面から見ても、すぐに実践に移しやすい方法でしょう。」

「ワックスと地金では作る面白さは違いますが、ワックスを面白いと感じた人ならば、地金は間違いなく面白いと感じてもらえます。」

「まずは、ワックスの仮想体験をしてもらって、面白さを実感してみましょう。」

「さあ、着いたみたいですね。」

森の中にひときわ大きい大木がカルマの目の前にそびえ立っていました。

ホタルでもいるのでしょうか、大木のあちらこちらが一定のリズムで点滅を繰り返して発光しています。

ユフィリー
「この大木は、” 共鳴の大木 ”と言って、ジュエリルワールドから持ってきた木だそうです。」

「そして、その大木には、あるジュエリルが住んでいます。」

「ほらっ!あそこ!」

あちこちで点滅している発光は、大木に開いている穴から発せられていたのだ。

ユフィリーが指差した穴から、なにかが飛び出してきた。

「かけらの匂いだね、こりゃ。」

そう言うと、カルマの周りをウロチョロと駆け回り、くんくんと匂いを嗅ぐ” リスのジュエリル ”がいた。

ユフィリーがカルマにささやいた。

ユフィリー
「今まで集めたスキルのかけらたちを取り出してもらえませんか?」

カルマはスキルのかけらたちを取り出した。

すると、1つのスキルのかけらが、大木と同じく発光していたのだ。

リスの尻尾がボワッと逆立ち、目がまんまるくなった。

リス
「ボクは合成屋」

なにかソワソワしているようだ。

「キミの持っているスキルのかけらを合成するよ。」

「どうだい?」

リスは発光しているかけらを凝視し、目が爛々としている。

「どうする?するのか?」

「っていうか、させてくれ!くれ!くれ~ぃ!」

その場でグルグルと回りだした。

「 それ!そこ!そのかけら!」

発光したかけらは、ガウディからもらったスキルのかけらの1つでした。

「そいつを合成したいぞ~!」

「さあどうする!やりたいよ~!っていうかやってしまいましょう!」

リスの言動にカルマが戸惑っていると、

ユフィリー
「かけらを渡してみてください。」

ユフィリーが言うやいなや

リス
「ごちそうさま~」

リスはかけらを口の中に入れ、ほっぺを膨らましたまま、穴の中へとヒョヒョイっと入っていってしまった。

穴の中から軽快な歌声とカリカリと何かをかじる音が聞こえてきた。

カルマ
「・・・大丈夫なのかな」

カルマは心配そうに穴を見つめていた。

~~~~~~~~~~~~~~

・・・・しばらくすると、「出来たよ!」

リスが穴から出てきた。
ほっぺは元通りになっていて、代わりに両手には、数珠玉のような大きさの艶やかに輝いた丸い石を抱えていた。

リス
「この珠の中を覗いてみて。」

カルマはリスからその珠を受け取った。

なにやら珠の中に映像が写っているようだった。

リス
「これはスキルのかけらを合成して作られる” スキルの御珠(みたま) ”」

「この共鳴の大木から採れる樹液と合成すると、かけらに刻まれたスキルを映像化できるんだ。」

「覗いてごらん。」

「今回合成したスキルのかけらから、” ワックスで作る指輪の工程 ”が映像化できたはず。」

「これを見れば、具体的な工具の使い方や使いどころが分かるだろう。」

 

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カルマが御珠を覗き込もうとすると、ユフィリーの囁く声が聞こえてきた。

ユフィリー
「カルマ、しっかりと目に焼き付けてくださいね。」

 

第5話 呼吸のごとく

辺りが真っ暗闇となって何も見えなくなった森に、スキルのかけらの蒼白い光と、焚き火の炎のオレンジ色の光が、大木を照らし続けている。

夜が更けた。

共鳴の大木の下で、焚き火を囲んで佇むカルマとユフィリーがいた。

ユフィリー
「ワックスでの原型制作の知識はだいぶ理解が深まりましたかね。」

カルマ
「実は、あのスキルの御珠の映像は途中で終わっていたんですよね。」

ユフィリー
「なぜ、途中で終わっていたか分かりますか?」

カルマ
「どうしてかな」

ユフィリー
「ボクの予想では、ガウディの気遣いか、ただの天然ボケか、どちらかなんでしょうが、ボクとしては、気遣いだと信じたいですがね。」

「たぶんガウディはこんなことを伝えたかったと思うんです。」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「知識を得ることも、食事を摂ることと同じ、腹8分目ってね。」

「欲張って知識を貰えばもらうほど、どんどんお腹が膨らんで苦しくなっていく。」

「どれからはじめてよいやら整理もつかなくなり、かえってやる気が出なくなります。」

「ちょっと物足りないぐらいが丁度良いってことを伝えたかったんですよ、きっと。」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~

ユフィリーは立ち上がり、

「それではちょっとここで、実体験でもしてみましょうかね。」

「ボクの言う通りに実際にしてみてください。」

ユフィリーはカルマの前に立った。

「それでは、息をゆっくり吸っていきましょう。」

スゥ~

「ちょっちょっちょっと!カルマさん!?」

「本当にやるんですよ。」

「吸いながら、読んでくださいね。」

スゥ~

「吸えるところまで、吸っていきますよ。」

スゥ~

「もう少し吸いましょう。」

スゥ~

「吐かないで!あとちょっと!」

「そして、もう限界ってところで、息を止めます。」

ピタッ

「そのまま、止めていてください。」

・・

「まだ、我慢できますか?」

・・

「もう少し、我慢してみましょう。」

・・

「我慢できなくなったら、吐きますよ~」

フゥ~~~

 

ユフィリー
「どうですか?」

「普段、なかなか呼吸を意識するなんてことはありませんよね。」

カルマ
「そうだね。当たり前すぎてね。」

ユフィリー
「でもこうやって、無意識にしていることに意識を向けてみると、見えないものが見えてくるんです。」

「息を吸ってばかりいたら、吸える限界がきましたよね。」

「そして、息を止めたままだと苦しくなってしまいました。」
「学ぶことも、呼吸をすることと同じなんです。」
「それでは視点を置き換えてみますよ。」

「酸素を知識と思ってくださいね。」

「知識(酸素)をたくさん吸って吸って溜め込もうとしても、吸える限界があります。そして、その知識たちをそのまま維持していても、これまた苦しくなっていくばかりです。これでは、新しい知識なんて吸えやしませんよね。」

「だから、知識を吸い込んだら、スキルに変えて吐き出してやるんです。」

「そしてそのスキルを、自分や仲間のために吐き出してあげれば、また新しい知識が吸えるようになります。」

「それを、繰り返していくのです。」

「呼吸のごとく・・当たり前にです!」

「それが、生かされているってことであり、かしているってことでもあります。」

「カルマも、ここでもらった贈り物を貯めておくだけではなく、実際に活かしてくださいね。」

「というわけで今日もボクは、持っているスキルのかけらを吐き出しますよ~」

「ハァ~!」

ユフィリーは、息を吐くマネでおどけてみせながら、カルマにスキルのかけらを渡した。

 

「これでボクはまた一歩、スキルマスターに近づけます(笑)」

 

ユフィリーからの贈り物

 

スキルのかけらを手に入れた!

プロが実際に仕事で使っているデザインの書き方が刻まれたスキルのかけらである。


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来訪者

突然、空から何かが舞い降りてきた。

目玉がクリっとした丸い物体!?

二人の方へと近づいてくると、その姿がハッキリとしてきた。

なんと、首に大きな風呂敷を巻いたモモンガのジュエリルだったのだ。

そのモモンガはカルマへ封筒を渡した。

封筒を開けると、中に手紙が入っていた。

渡し忘れたモノがあったんじゃよ。

 

なんと、ガウディからの手紙だった。

ユフィリー
「噂をすれば、なんとやらですね。」

モモンガは、首に巻かれた大きな風呂敷包から、小包を取り出し、カルマに渡した。

小包の中を開けると、” ワックスで出来た指輪の原型 ”が入っていたのだ。

そなたらに、行ってもらいたい所があるんじゃ。

共鳴の大木を中心に東西南北と
四方に森のパヴェ回廊が延びているのじゃが、

そなたたちには、北の森のパヴェ回廊を進んで、
” タートルバック ”という町に行ってくれないかのう。

そこにいる” レオナルド ”ってヤツに、
このワックスの原型を渡してほしいのじゃ。

それでは、よろしく頼むぞ。

 

カルマ
「エッ!これで終わり?」

「ユフィリーは、レオナルドって知ってるの?」

ユフィリーは首を横に振った。

カルマ
「レオナルドがその町のどこにいるのか、どんな人かわからないんじゃ、渡せないでしょ。」

ユフィリー
「さっきの話なんだけど・・・」

「映像の事といい、この手紙といい、ボクの予想は外れかも・・・」

「どうやらただの天然だね、こりゃ。」

 

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